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気持ちよくなることで

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先日、イベントを開催した。母校のサークル2団体と僕との共催のイベントだった。内容は、僕の働いている会社の説明や社員とのディスカッションの場を学生に提供するというものだった。

僕は、いま働いている会社がとても好きで、また、通っていた母校もとても好きである。だから、会社の利益云々に関わらず、純粋に同じ会社で働く後輩が少しでも増えたらと思っている。その思いでいたときに、生命力のある学生から会社を知りたいという連絡を貰った。そして彼女の思いに呼応するカタチで今回のイベントを作り上げていった。

招待した社員は3名、それに会社の説明をしてくれた社員が2名、全員僕よりも職位や経験年数が上の方々だった。学生は24名、会が終わっても社員を捕まえてインターンやアルバイトの話を聞いている人が4〜5人いた。会としては悪くない仕上がりだったと思っている。

印象的だったのは、社員側のこのイベントの効果である。懇親会まで参加してくれた社員が、乾杯の挨拶で「今日は本当に楽しかった。こうやって熱い気持ちをもって福祉や教育について語りあえることに喜びを感じた」と話していた。もしかすると、前途洋洋な学生達に対して自分の仕事を語り、その語りで学生が高揚していく様子を見ることで、社員のエンゲージメントも向上(回復)しているのかもしれない。実際、僕も今回のイベントを通して会社の再評価や自身の仕事の価値の再認識をおこなえた。社内で評価されたり、同僚と語り合うことも大切だが、外部の人に向けて自分の仕事を説明する機会が想像以上の費用対効果を生むのかもしれない。

思えば、イベントで学生相手に話す社員は生き生きとしていて気持ちよさそうだった。それが学生の生命力によるものだろうと、そのときは思っていた。おそらく学生の生命力が着火剤の役割をしていることは間違いないが、着火剤だけでは火はつかない。社員の側が気持ちよさの果てに自ら火をつけたのだろう。こんな副産物があるとは、思ってもみなかった。