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OK, Boomer.

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OK, Boomer.

この言葉がちょっとした話題になっている。
詳細は下記の記事(CNN)を参照。
https://www.cnn.co.jp/world/35145048.html


ニュージーランドの25歳女性議員が年配議員の野次に対して贈った言葉。同世代からは「よう言った!」と称賛されたり、「年配の方にはこういう年代差別的な思想を持たれた方が多い」という(これ自体も年代的な)批判を誘引したりしている。

ここに僕がコメントすることは、何かしらの炎上を引き起こしかねない。何故なら、25歳の議員と年配議員のどちらにお前が近いかと問われて「中間です」とは言いにくい立場(26歳10ヶ月)だからだ。けれども、炎上するにはあまりにも知名度が低く、起きても焚火のパチッという火の粉程度のものだと思うので気にせず話を続ける。

言いたいことは2点。1点目はこの件について「若者は失礼だ、年長者を敬え」と文句を言っている方々へ。

敬えと言うな、敬わざるを得ない人であれ。僕は他人の言動を正すほど時間的余裕は無いので自戒のためにこの話をするが、敬うというのは強要されてすることではない。「嗚呼、なんて人なんだこの方は…」そう思うとき、人は自然と敬っているのであって、敬うべしと自己制御しているわけではない。敬うことを強要している時点で「自分に魅力はございません」と言っているようなものだ。そして、残念だけれど現代の若者(と一括りにされる僕を含めた人間たち)は価値判断がシビアだ。そこに忖度などない。良いものは良いし、良くないものは良くない、それだけ。僕は周囲に「敬え」と言わず、その宣伝コストを自己研鑽に全振りする。敬いたい人であるようにする。

2点目は「年配の方にはこういう年代差別的な思想を〜」などと言って批判している方々へ。

かく言うあなたも「年代差別的な思想」をされていませんか。年代差別自体が悪いことかどうかは僕は判断しない(する立場でもない)。僕が言いたいのは単純に自家撞着に陥っているぞということだ。こんな短絡的な批判を正当な声だとおもっているなら、どうぞ返り討ちにあってください。そりゃあ「なんだ若造」と言われても仕方ない。なんなら、「あなたもいつか自分が年配の側になったときに、かつて自分が批判した相手と同じような年代差別的な対応を若者たちに向けるだろう」とさえ思う。こんなだから「どの時代でも若者は「最近の若者は…」と言われるよね」という言説自体が不老不死状態でいられるのかもしれない。そして、そもそも批判の大前提として、相手の論理に乗るならきちんと論理的整合性は確認するべきだ。それか、そもそも異なる論理を提出するなら徹底的に異なるように提出すること。今回のケースは相手の論理に乗っていて、そのまま相手の論理に絡めとられている。詰めの甘さを感じる。

「OK, Boomer.」という言葉に乗っかってああだこうだ言い合っている人たちの殆どが、お互いに破綻していてそもそも正当に言い合えていないように思える。批判するならちゃんとやろう、そう思った。